〜リレードラマ〜ある1日の風景(後編)


PM3:00<マリィの午後>


・・・もう、ネリィちゃんたら・・
せっかく昨日は一緒に宿題をやって、テストの勉強も頑張ったのに

(昨日の夜の様子)


・・・全部忘れちゃったなんて。
うるる・・

それに今日のケイト先生、いつもより機嫌が悪かった感じだけど
・・・ネリィちゃんの補修授業、大丈夫かしら。
・・
あんまり怒られてなければいいんだけど・・・

あ・・そうだ、お風呂を沸かしときましょう!



こんな時はいつも、疲れて帰って来るもんね。

ネリィあ〜、もう疲れすぎて『メシ・ふろ・寝る』しか出来ない〜
・・・なんて言ってるから。
(苦笑)


おじいちゃんおぉ、おかえり、マリィ!・・ん〜、ネリィは?見当たらんが・・・



マリィえっ?!・・・えーと・・えーと(大汗)

・・は、早く帰って来てね・・・ネリィちゃん!


PM5:00<ネリィの夕方>



はぁぁぁ・・・。



もう・・頭がパンクしそうだわ・・・。
こんなコトになるなら昨日、も〜ちっとだけやっとくべきだったわね。
・・って同じ反省、今月で4回目なんだけどね。ハハハ・・・。

あれでも昨日は頑張った方なんだけどねぇ。
・・・やっぱ、半分寝てたからかな?
朝になったらスッキリ忘れちゃってたし・・。

それにしたってあの先生、ホンット、頭カタイよねぇ〜!
生徒を成績で判断するのは止めて欲しいモンだわよ、全く。

アタシだってね、得意な科目の1つや2つあるんだから!
えっと、”体育”でしょ!・・・それから・・・
”体育”でしょ・・。

ネリィ・・・・・。

・・・ま、いいって、いいって!
(汗)
学校だけが勉強するトコロじゃないし・・って


・・あれれ?



・・・アンタ、どこの犬なの・・?

ネリィ今までアタシのグチ、聞いてくれてたんだ?・・サンキュね!

!!・・キャ・・・キャウ〜ン・・ケフケフ


・・・そういえば今日、先生がディアスの大ファンだって
ウワサを聞いたけど・・ま、ウソよね。
あの勉強命の先生が・・そんなわけないじゃんハハッ


PM7:00<ケイトの宵>


ああっ!!

まずいわ、まずいわっ!

きょ・・今日で・・・っ



ディアス様主演の連続ドラマ真珠主人が最終回なのにぃぃ〜!!!

補修授業なんかするんじゃなかったわぁッ、全く〜!
この時間のために、私はこの一週間生きてきたのよぉ。
(泣)



ケイト・・セ・・・セーフだわ。(汗)



ケイト・・・・・

・・あうあ〜〜〜
(泣)
な、なみだで前が見えないわ・・。
なんて・・・なんて、感動的なエンディングなの・・?

はあ〜
・・やっぱり、ディアス様は最高よ・・・。
(ウットリ)
今日は今週あったイヤな事、全部忘れられそう・・。
・・ほとんどネリィさんの事なんだけど


PM9:00<ディアスの夜>


ディアスさて、打ち合わせも終わったし、お前も飲んでいけよ。」

ジャンいや、俺は・・・



バーのウェイトレスあのっ・・・これどうぞっ、サービスですっ・・!

ディアス・ジャン・・・・・。

頬を赤くそめて走り去った彼女から渡されたのは
・・・一杯のカクテルと”アドレスの書かれた小さな紙切れ”

ファンからアドレスを渡されるなんて事は、よくあることさ。

ジャン・・・週刊誌の餌食になる前に、お前も適当に帰れよ?・・じゃあな

そうか・・以前、同じような場面を週刊誌に撮られて、数週間追い回された事もあったかな。


・・・見回せば、周りにいる客のほとんどが
オレの存在に気づいて、小さなざわめきが起きている。

芸能人のなかには、人の視線や週刊誌をいちいち気にするようなヤツもいるが
あいにく、オレはそんな事を気にするタイプじゃない。
プライベートな時間は、何よりも自分の気持ちを優先する事にしている。

・・・さて、今日は少しゆっくりと飲みたい気分だな。



ディアス・・・これは・・?

バーテンダー・・あちらのお客様からでございます。

ディアス・・・・・。

・・・フッ、オレの長く熱い夜のはじまり・・かな・・?


その後・・・


女性ファンあたしゃ、アンタの大ファンなんじゃよぉぉぉ〜!!
(狂喜)

ディアス・・・どうも・・。」


PM11:00<ジャンの深夜>




・・・プハァ〜、やっぱり家でゆっくり飲む酒は、うまい!

俺は店で酒を飲むのが嫌いだ。
騒がしくて・・どうも落ち着かねえ。

人と付き合うのが苦手な俺だが、ディアスとは何故か気が合う。
俺が腹を割って話せる、数少ないダチだ。
・・が、昔からいつも2つの事に関しては、お互いに主張をゆずらない。

・・・酒と女、だな。

俺には理解できねぇんだ
・・何でアイツは、あんな気取った店で酒を飲むのが好きなのか、がよ。
不味くてしょうがねぇって〜の!

・・・あとは、”女”だな
こいつほどやっかいな生き物は、いねぇぞ?
うるさいし、金はかかるし、計算高いときてる・・・
なのにヤツは『女性ほど素晴らしい存在はいない』
・・なんて
(背景にバラしょって)平気な顔して言いやがる。・・寒っ

し・か・も『お前はまだ、女性がわかるほど付き合った事ないんだよ』
なんて余裕見せたカンジでぬかすもんだから、
チキショー
結局いつも俺が押されちまう・・。

ぐぁぁっ、何だか色々思い出して気分が悪くなってきた・・
さっき飲んだ酒が(胸に)焼けてきたし
・・・・クソッ・・



・・俺はもう寝るぜ
(怒)



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